ミラノ工科大を訪ねる。
歴史的な建物も近代の物も混在しているが、
どの建物も、段差解消スロープがしっかりついている。
だがしかし。二日間の見学中、車イス利用者に出会わない。
大学構内に限らす、街中でも見かけない。
他のハンディキャップのある方も見かけない。
点字ブロックも充実しているのにな。
現地の先生よると、そういった学生は極少数だそう。
それは日本の大学でも同じだけど。
続いた言葉に驚いた。
「ただ、私の先生は盲目でした。」
ここは世界で最高峰の、建築を学ぶ場だ。
学ぶことは、広い範囲の街づくり計画から個人が使う住宅設計まで多岐にわたる。
建築に携わる者は、様々な人の暮らしや暮らしの場面について、寄り添って考える必要がある。
建築の授業で盲目の先生が教えることから、
学生たちが得た特別なものがあるに違いない。
それが彼らの設計に活かされていきますように。